2015/08/01

Xperia Z4 Tablet タッチ&トライミーティングイベントレポート

※このブログは Xperia アンバサダープログラムに参加しています。

前回に引き続き、7月31日(金)に開催された Xperia Z4 Tablet タッチ&トライミーティングのレポートをしていきたいと思います。



Xperia Z4 Tablet の特徴は、世界最薄・最軽量、高画質ディスプレイ、キーボードの 3つです。はじめの 2つは他社も似たような戦略なので差別化が難しいですが、最後のキーボードには面白い戦略が見えてくるような気がします。この話は後ほど…。


先代 Z2 Tablet は 2014年の発売当時、世界最薄・最軽量でしたが、Z4 Tablet は更に軽量コンパクトを目指して開発されました。薄さは約6.4mm → 6.1mm になりました。しかもカメラレンズの出っ張りが無くなって完全にフラットになりました。



重さは約439g → 389g になりました。缶ジュース 1本 380g を目指して開発されたそうです。実際手にしてみるとかなり軽いです。背面がマット塗装になっているので持ちやすく、気軽に持ち歩けるタブレットというコンセプトにはピッタリです。


それでいてバッテリー容量も犠牲にしていません。バッテリー容量は Z2 Tablet と同じ 6,000mAh を確保、スタミナモードを改良し 17時間もの動画再生に耐える性能を持っています。実際に使ってみると、1日数時間の軽い使い方なら 1週間に 1度の充電でも間に合うほどです。


硬性を保ちながら本体を薄くし、さらに狭額縁を実現するために、コアフレームレス構造を採用しています。フレーム部分はディスプレイに邪魔されずに部品を詰め込むことができるタブレットにとって「美味しい」部分だそうですが、ここを横方向に約 10mm、縦方向に約 5mm 小さくすることが出来ました。


次は Xperia Z4 Tablet の 2つめの特徴、高画質ディスプレイです。ディスプレイは 2560 x 1600 WQXGA の LTPS 液晶ディスプレイを採用しています。解像度は人間の目で識別できる限界と言われている 300ppi です。おなじみトリルミナスディスプレイと X リアリティで高画質を実現しています。


実はディスプレイの改良はスタミナ性能にも貢献しています。スマートフォンよりもディスプレイが大きいタブレットでは、システム全体の消費電力のうち、約 65% をディスプレイが消費しています。つまり、ディスプレイの消費電力を下げることが出来れば、システム全体の消費電力を効率的に下げることができるのです。


Z4 Tablet では、画面描画を制御する IC を 6個 → 2個に減らし、約 40%の消費電力削減に成功しました。



IC 内に VRAM を内蔵しており、表示内容に変更が無いときは CPU からの描画命令が必要ない設計になっているそうです。表示内容に変更があるときだけ CPU が動作するのでアイドル時の消費電力を削減することができます。



ディスプレイの改良で嬉しいのが防水対応です。以前から防水防塵に対応していましたが、Z4 Tablet では濡れた手でそのまま操作することができます。誤作動も少なくとても便利です。スマートフォンの Xperia Z4 でも同じ機能がありましたが、お風呂で操作する機会が多い分、タブレットのほうが嬉しいかもしれません。


会場では霧吹きを使ってディスプレイを濡らし、そのまま操作するデモが披露されました。今まではディプレイが濡れているとタッチした反応が飛び飛びになったりしてまともに使えなかったのですが、Z4/Z4 Tablet は普通に操作することができます。この「普通」っていうところが実は凄いことなんです。



Z4 Tablet 最後の特徴は専用開発されたキーボード BKB50 です。Z4 Tablet と組み合わせてノート PC のような使用感を目指して開発されました。専用設計なのでデザインや接続方法もピッタリ。背面にある NFC チップ部分をかざすだけでペアリングも可能です。



テンキー無しのコンパクトキーボードですが、よく使うファンクションキーやタッチパッドも用意され、本格的なタイピングにも利用できます。硬性もしっかりしていて程よいタイプ感です。キーピッチは狭い部分で約 15mm、キーストロークは 約1.2mm です。


(ここからは私個人の感想を含みます)SONY Mobile が専用キーボード BKB50 を出してきたのは、SONY 本体を取り巻く状況の変化と、SONY Mobile の今後の戦略が見え隠れしていて、とても面白いと感じています。

まず、顧客ニーズはここ数年で確実に変化してきています。ここ数年でノート PC の売上が減少し、タブレットに置き換わっているという調査結果が報告されています。ノート PC が軽量コンパクトになり、一方タブレットが高性能になってくると両者の垣根は段々と低くなっていきます。SONY Mobile でもタブレットの購入理由がパソコンの代わりであることを認識しており、今回 BKB50 の開発に繋がったと言っています。


ではタブレットの販売が好調かというとそうでもありません。タブレット市場で人気のある Apple iPad でさえ、2015年の売上が前年比で半減しているという報告もあります。1人 1台のスマートフォンと違って、元々タブレットには 1家に 1台程度の需要しかなく、既にタブレットを購入する層には浸透してしまったのだと思います。元々スマートフォンよりも CPU、メモリ、バッテリーに余裕を持って開発されているタブレット機種が多く、買い替え需要もあまり高くありません。

そこで重要になってくるのがノート PC の代わりに使えるという点です。ノート PC の買い替え需要は 4年程度と言われており、今年 2015年は 2009年~2011年に販売された Windows 7 パソコンの買い換えが本格化しています。Windows 7 からの買い替えですと Windows 10 を選ぶのが順当ですが、iOS/Android タブレットに買い換える層もかなりいると見込まれています。

そう考えると Xperia Z4 Tablet + BKB50 キーボードの組み合わせで使える PC Style UX は結構魅力的です。一般的な Windows タブレットに比べるとディプレイやバッテリー性能面で有利ですし、いい狙い目なんだと思います。


もう一つ、SONY 本体から PC 開発部門が独立したのも大いに関係があると思います。従来であればノート PC VAIO シリーズと Xperia タブレットシリーズはちゃんと住み分けされており、VAIO のシェアを Xperia が奪うなど許されなかったと思いますが、別会社になった今ではそんな風に縛られる必要はありません。元に VAIO 株式会社の方は Xperia スマートフォンと競合する VAIO Phone なんて出していましたしね。

という訳で、「ノート PC のように使える Android タブレット」は今 SONY Mobile がもっとも力を入れるべきエリアなんだと思います。実際使いやすいし、ビジネスユーザーに訴えるポイントも有り、結構面白いと思っています。今後どう展開されていくか、楽しみです。

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