6月12日に Xperia Z4 SO-03G をお借りしてから約1ヶ月間、メイン端末として使用してきました。通話と LINE 以外のほとんどを Z4 でやっていました。
昨日の記事をポストしたあとモニター機は返却してしまったのでもう手元にはありません。1ヶ月間を振り返りながら感想を書いてみたいと思います。これから Z4 の購入を検討している方にも参考になりますように。
デザインが良くなった。特に本体側面がスッキリ
元々 Xperia のデザインは良かったと思いますが、Z4 は更に良くなっています。中でも、
- microUSB 端子が防水仕様になり蓋がなくなりました。場所も本体下部に移動しています。
- nanoSIM と microSD カードのトレーが一体化しました。蓋も小さくなりました。
- マグネット充電端子がなくなりました。
- ストラップホールが本体下部に移動しました。
これらのデザイン上の変更により、本体側面がスッキリしました。右側はスイッチ類だけ、左側は何もありません。端子やスロット類の変更は外観だけでなく内部構造にも影響があったと思いますが、デザインチームの英断は素晴らしかったと思います。
一点だけ、マグネット充電端子が無くなったことには不満を持っている方もいらっしゃるかもしれません。確かにケーブルをささなくても置くだけで充電できたら便利ですね。新しいクレードルは microUSB 端子が生えているタイプになり、以前のように置くだけで簡単に充電できるタイプからは比べれば少し不便かもしれません。
他社のスマートフォンでも採用されている非接触充電の Qi に対応していればマグネット充電端子はもう不要になると思います。使い勝手もマグネットタイプより格段に良くなると思います。ただ、非接触充電はコイルを内蔵する分本体が厚くなったり、充電中は熱を持ったりします。デザインとのバランスが更に難しくなりそうですが、今後のフラッグシップモデルでは対応してくるのではないかと期待しています。
Android 5.0 Lollipop にスムーズに移行
Xperia Z4 は最初から Android 5.0 Lollipop を搭載しています。国内で販売されている Xperia シリーズにも順次アップデートが適用される予定ですが、現時点では Z4 と A4 が一番早い対応になります。
Lollipop はマテリアルデザインという新しい手法を取り入れて、デザインをシンプルに見せつつ、ユーザーには直感的に操作しやすい UX を提供します。質感に乏しいフラットデザインに比べ、透過処理、陰影、重ね合わせを多用して、パーツごとの奥行きや前後関係を強調しているのが特徴です。
また、Dalvik に代わり ART という新しい Java ランタイムが使用されるようになり、アプリケーションをより高速に動作させることができます。64ビットカーネルに対応しているのも新しい点です。
Android 4.4 KitKat がそれ以前の Jelly Bean からそれほど変わっていなかった事を考えると、Lollipop での変更内容は多岐にわたります。しかし、これまでの Xperia のデザインや使用感からそれほど違和感なく Lollipop に対応してきたのには驚かされました。標準アプリも、Z4 の発売前後に次々とマテリアルデザインに対応してきました。
ソニーモバイルは以前から Xperia 向けに AOSP 版の Android 5.0 を提供したりして Lollipop への対応を進めてきました。ここに来てその成果が出たのではないでしょうか。素晴らしい!
避けて通れない発熱問題とパフォーマンス低下
以前のエントリでも触れましたが、Xperia Z4 は最新の Snapdragon 810 を搭載しているにもかかわらず、ベンチマークスコアがあまり奮いません。そして高い負荷をかけ続けていると、本体背面の一部がかなり高温になります。この時、恐らく冷却のためだと思いますが、SoC の動作周波数が下がり、全体的に動作が遅くなってしまいます。普通のスクロールがカクカクしてタッチ操作についてこなかったり、アプリの切り替えに非常に時間がかかってしまうことがありました。
Z4 の設定を色々弄っていて気がついたのですが、開発者オプションの GPU レンダリング(2D描画に GPU を常に使用する)を有効にすると、このカクカクが酷くなるのです。ちょっと下の表を見てみてください。
AnTuTu ベンチマークスコア | Xperia Z3 | Xperia Z4 (32bit) | Xperia Z4 (64bit) |
マルチタスク | 6657 | 4743 | 3983 |
Dalvik | 2242 | 2331 | 3791 |
整数演算 | 3139 | 4453 | 3452 |
浮動小数点演算 | 3327 | 2625 | 2654 |
シングルスレッド整数演算 | 2767 | 1610 | 2394 |
シングルスレッド浮動小数点演算 | 2529 | 1462 | 2201 |
2D グラフィックス | 1648 | 1669 | 1668 |
3D グラフィックス | 13402 | 15706 | 15971 |
総合 | 41977 | 42153 | 45619 |
コア単体で見ると、Krait 400 2.5GHz -> Cortex-A57 2.0GHz と動作周波数が下がっているので、シングルスレッドの CPU スコアが下がっているのはある意味仕方がないと思います。その分 Cortex-A53 1.5GHz で補って欲しいのですが、残念ながらマルチタスクのスコアも下がっています。
Dalvik スコアは上がっていますね。恐らく Dalvik そのものを測定しているわけではなく、Java ランタイムの性能を測定していると思われますので、これは単純に ART の性能向上分と受け取っていいと思います。
GPU の項目も見てみてください。2D グラフィックスのスコアがほとんど同じです。Snapdragon 810 は GPU として Adreno 430 500MHz を内蔵しています。一方 Z3 に搭載されていた Snapdragon 801 は Adreno 330 578MHz です。Adreno 430 と 330 に着目してパフォーマンス測定をしている記事を見たことは無いのですが、GPU 単体の性能の向上分を動作周波数の低下で相殺してしまっているように見えます。Lollipop は KitKat に比べると透過や重ね合わせの処理が格段に増えているはずですが、GPU の性能がもっと上がってこないとちょっと厳しいかもしれません。
発熱問題は SoC 単体だけではなく、システム全体の熱設計や、バックグラウンドサービスなども含めた全体像で考察する必要があります。Photo Analyzer Service を停止すると改善するというブログ記事もありました。
Xperia Z4のバッテリー問題と発熱問題を斬る、結果熱は下がりバッテリーは明らかに長持ち、そしてもっさり解消という結果に (鈴の音情報局blog)
私個人はソフトウェアにおける付け焼き刃的な対応では、発熱問題とパフォーマンス低下を同時に解決するのは難しいのではないかと思っているのですが、今後、ソフトウェアアップデートで改善できる部分があれば、ぜひ積極的に取り組んで欲しいと思います。
Xperia Z2 以前のユーザーは積極的に乗り換えを!
Z3 と比較するとどうしてもパフォーマンスの低下が気になってしまいますが、Z2 以前のユーザーには文句なく乗り換えをお勧めします。ちなみに Xperia Z2 の AnTuTu ベンチマークスコアは約 34,000、Xperia A のスコアは約 20,000 でした。
オムニバランスデザインは Z3 で完成したと思っていましたが、Z4 で更に改善されて良くなりました。最新の Android 5.0 Lollipop もいち早く体験できます。
Z4 はキャリアアグリゲーションや Wi-Fi MIMO にも対応しており、通信速度の面でも大分高速化されています。Z2 以前のユーザーはその速度差を十分に実感できると思います。
最後に
楽しいタッチ&トライミーティングを企画・運営してくださったアジャイルメディア・ネットワーク様、Xperia Z4 のモニター機をお貸しいただきました、ソニーモバイルコミュニケーションズ様、NTT ドコモ様に感謝いたします。本当にありがとうございました。
そして最後に。 タッチ&トライミーティングで食べた「もうやんカレー」美味しかったです!今度 Xperia 持ってお店にうかがいたいと思います!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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